三河・桶狭間の戦で義元が斃れたその頃。
戦場の裏で、別の報せが環のもとに届いていた。
服部半蔵が駆け込み、膝をついて告げる。
「織田信長様……暗殺されました!」
蘭丸はその場に崩れ落ち、光秀は歯を食いしばる。
濃姫は瞳を閉じ、毅然として言った。
「……夫は討たれたか。だが志は残る。私が、この身で繋ぐ」
本多忠勝は拳を震わせ、怒りを隠さない。
「ならば俺が織田の無念を晴らす!」
環は全員の前に立ち、静かに言葉を紡いだ。
「泣くのも怒るのも大切。でも未来には“福祉”がある。
強きも弱きも支え合う仕組み……私はその理を、この乱世に植える」
半蔵はもう一つの報せを差し出す。
「美濃の蝮・斎藤道三――討死したはずの名がなお、民と兵を惑わせております。
“名”だけが生きて動いているのです」
信康は驚き、環は地図に手を置いた。
「名が影を呼ぶなら、理で確かめる。
三河を固め、弱きを守る仕組みを築いて……その上で美濃の影に挑もう」
クロノスの声が風に混じる。
「一つの勝利の裏には、必ず影がある。
理の軍師よ、汝はその影すら救えるか」
🌸振り返り
第1話:義元討伐(桶狭間) 第2話:信康軍の戦い 第3話:武田信玄救出 → 川中島決戦 第4話:服部半蔵のクノイチ暗殺未遂
こうして環のもとに、信康・信玄・謙信、そして織田残党までが集い始めた。
🎭キャスト紹介
朝倉環
未来から来た“理の軍師”。福祉の理を掲げ、乱世を救おうとする少女。
松平信康
若き将。環を信じ、理を背負う覚悟を決めた。
家臣には豪勇の本多忠勝、影の服部半蔵。
武田信玄
病を抱えつつも理に惹かれて環の軍へ。
真田幸村を伴う。
上杉謙信
義を信条とする軍神。直江兼続を従え、環に同調する。
織田残党
明智光秀、森蘭丸、濃姫。信長の死を受け、環の旗へと集う。
斎藤道三(蝮の名)
すでに討死したはずだが、その名はなお乱世に影を落とす。
足利義輝
剣豪将軍。幕府の権威を背負い、環を討つべく動く。
背後には三好三人衆や雑賀衆の影が見える。
コメント