⚔️戦国ファンタジー第7話:束ねの剣、黎明に響く(前編)

戦国ファンタジー
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🌸あらすじ

都を覆う黒煙。

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足利の大軍が押し寄せ、忠勝・幸村・半兵衛の防衛線は限界を迎えていた。

兵は疲弊し、矢は尽き、陣の鼓動は静まりかけていた。

ただ一人、佐々木小次郎が敵陣の中央に突入する。

その剣は流星のごとく舞い、数十の兵をなぎ倒した。

だが圧倒的な兵数差の前に、次第に追い詰められていく。

「まだ……あたしは、終わらせない。」

その時、丘の上から光が差す。

その中心に、白き甲冑をまとった女が立っていた。

「遅くなったな――束ねる者、環。」

⚔️黎明の訪れ

夜明け前、煙に包まれた都の空。

風は血と灰の匂いを運び、倒れた旗が揺れていた。

「皆、まだ立てるか。」

環の声が戦場に響く。

恐れよりも希望が宿った声に、兵たちの心が再び灯る。

半兵衛が苦笑した。

「ようやく来たな、総大将。」

「遅れてごめん。でも、もう誰も倒れさせない。」

環は旗の前に立ち、剣を掲げた。

夜明けの光がその刃を照らす。

「この理(ことわり)、あたしたちが繋ぐ――!」

🔥理の共鳴

政宗の蒼天剣が唸りを上げ、忠勝の雷轟の槍が閃く。

幸村の紅蓮の炎が舞い、炎・雷・風が重なって天へ昇る光の柱となった。

その光に包まれ、兵たちは再び立ち上がる。

足利の兵が怯え、陣が崩れ始めた。

「これが……束ねの剣。」

環は静かに首を振った。

「違う。理は力じゃない。心が交わる時、初めて真に輝く。」

⚡転機 ― 天草の導き

その瞬間、空が鳴った。

時の裂け目のような閃光と共に、風が逆巻く。

丘の向こう、蒼白い旗を掲げた軍勢が現れる。

その中央に立つ青年の瞳は、淡い祈りの光を宿していた。

「我ら、理を継ぐ者――天草時貞、参陣いたす!」

兵たちがざわめき、環はその名を呟いた。

「……時貞。やはり導かれたのね、クロノスに。」

光が交差し、戦場が黎明の光に包まれる。

🌌クロノスの囁き ― 束ねの剣、黎明に響く(前編)

――夜明けはまだ遠い。

炎は理を照らし、理はまた炎を生む。

束ねの剣は、そのすべてを抱きしめようとしている。

「けれど、“理”はまだ、ひとつにはなっていない――。」

💫次回予告

光の理は束ねられ、時の導きが交差する。

だが、真の黎明はまだ訪れていない。

次回:第7話(後編)「黎明の陣 ― 理、ひとつに」

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