⚔️ 第3話 後編 川中島の決戦

戦国ファンタジー
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霧深き川中島。千曲川の流れを背に、二つの女の軍勢がぶつかり合った。

 甲斐の虎・武田信玄――その旗には「風林火山」の四字。

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 越後の龍・上杉謙信――背に掲げるは「毘」の一字、毘沙門天の加護を示す旗。

 二人はただの敵ではなかった。

 女であるがゆえに背負わされた孤独と矜持を、互いに知る者同士だった。

 白馬を駆けた謙信の太刀が閃き、信玄の軍扇が火花を散らして弾き返す。

「天が授けし理は、我にある!」

「女の武威こそ、天下を裂く力だ!」

 刃と刃が二十合、三十合。鎧は削れ、血が散り、誰も二人の間に近づけなかった。

 光秀は冷静に見つめる。

「女同士…まるで鏡合わせの宿命」

 蘭丸は声を張り上げた。

「謙信様が押されてる!」

 信康は動揺し、環を振り返る。

「環! このままでは!」

 環は決意した。矢と炎の渦を突き抜け、戦場の中心へ走る。

「戦は理で積むもの! 未来には“福祉”がある! 弱きを救う仕組みがあるんだ!」

 刃を振り下ろしかけた信玄の動きが止まり、謙信も目を見開いた。

 環は全身で叫ぶ。

「奪い合うだけじゃ未来は続かない! あなたたちが女として背負ってきた痛みを、救う理に変えられる!」

 信玄は長い沈黙の後、軍扇を下ろして笑った。

「……女の私にこそ響く言葉だ。理の軍師よ、一度、貴様に従おう」

 謙信は太刀を収め、環を見つめる。

「恩は忘れぬ。だが宿命はまだ終わってはいない」

 こうして川中島の大戦は決着せず。

 女と女の宿命の激突は、一人の少女の言葉で中断された。

 その夜、武田陣に忍び寄る黒い影――服部半蔵のクノイチ。

 月光に刃が光り、クロノスの声が囁く。

「救いは新たな歪みを呼ぶ。影は必ず光を追うのだ」

🌸次回予告

「救ったはずの命が、新たな刃を呼ぶ。

服部半蔵のクノイチ、その刃は誰を狙うのか――」

⏰時間予告

「救いの光が差すほど、影は濃くなる。

運命の歪みは、歴史をさらに揺さぶる」

🏯第4話 画像用メモ(案)

舞台:雪の残る山中・夜明け前の陣屋前

登場:

武田信玄、威厳と慈愛を併せ持つ少女将。戦装束の上に赤い羽織。

上杉謙信、清廉で静かな美貌、白の戦装束。信玄と対をなす存在。

直江兼続、義心を胸に秘めた若き智将。

真田幸村、明るく芯のある少女戦士。

情景:雪が舞う中、信玄と謙信が互いに手を結ぶ。

構図:中央で信玄と謙信が手を結び、後方に兼続と幸村。

トーン:雪の光に包まれた「和解と希望」。

🔗 次回:第4話『影、忍び寄る刃』はこちら

👉 https://kanna-blog.info/⚔️-第4話-影、忍び寄る刃/

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