⚔️ 第4話 影、忍び寄る刃

戦国ファンタジー
スポンサーリンク

2025年10月10日

最終更新日時 : 2025年10月6日

スポンサーリンク
スポンサーリンク

環奈

川中島の戦が収まり、武田陣に静けさが戻った夜。

だが月光の下、闇を裂く影が走る。

服部半蔵のクノイチ――黒装束の女忍び。

彼女の刃は迷いなく、眠る信玄の幕へと迫っていた。

環は異変に気づき、飛び込む。

「やめて! この命はもう救われたんだ!」

忍びの瞳は冷たく光る。

「救いは裏切りを呼ぶ。乱世に救いなど不要」

閃光のような刃が振るわれ、環の髪を掠める。

信康と蘭丸が駆けつけ、戦場さながらの混乱が広がった。

クノイチの動きは疾風のごとく、光秀の槍すらもかわす。

だが環は胸の奥で強く叫んだ。

「救う理は、影にすら届く!」

その声に一瞬、クノイチの刃が揺らいだ。

半蔵の影が木々に滲むように退き、夜は再び静寂に包まれた。

環は震える手で刃の跡を見つめた。

「なぜ…救おうとする者が斬られなきゃならないの?」

風に消えるような問いに、遠くから忍びの声が返る。

「お前が救った命の裏で、何人が死ぬか――それが理だ」

「それでも……救いたい。影でさえも」

環の言葉に、闇が一瞬だけ揺れた。

「……お前の理、眩しすぎるな」

その呟きを最後に、夜風だけが残った。

だがクロノスの囁きは響く。

「影は去らぬ。救いの光が強ければ強いほど、影もまた濃くなる」

🌸次回予告(第5話 足利編)

「京の都に渦巻く陰謀。

剣豪将軍・足利義輝、その剣は救いか、それとも血の運命か――」

⏰時間予告

「歴史の糸は京へと伸びる。

運命の矛先は、幕府の中枢をも揺るがす」

🔗 ⚔️ 第1話 外伝 裏側の報せ

スポンサーリンク
スポンサーリンク

コメント

タイトルとURLをコピーしました