🔮スピリチュアル日記⑥流れが変わる前に出会った人

スピリチュアル日記
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久しぶりにLINEの通知が鳴った。

普段なら気にも留めないのに、その日はなぜか心が動いた。

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開いてみると、もう抜けたはずのグループからの誘いだった。

少し迷ってから、なんとなく入ってみる。

それは偶然というより、どこかで「行くべき時」だと感じた。

最近、仕事の流れも人の繋がりも変わり始めていた。

何かが終わって、何かが始まるような感覚。

そんな時に、久しぶりにネカフェへ行くことになった。

何年も行っていなかったのに、なぜか今日はそこへ足が向いた。

まるで誰かに導かれるように。

席に着こうとした瞬間、ふいに名前を呼ばれた。

振り向くと、懐かしいような顔。

けれど思い出せなかった。

相手は笑って、「綺麗になりましたね」と言った。

何度も、何度も。

まるで時間が止まったように、言葉が空気の中に響いた。

彼は弟の友人だった。

「覚えてないですか?」と笑う顔は優しかった。

私は笑って、「痩せたからやろ」と返した。

すると、彼は言った。

「いや、元がいいですね。」

その瞬間、心の奥で何かが解けた。

外見のことだけじゃない。

その言葉には、“過去の私を含めて今を見てくれた”温かさがあった。

昔の私が、やっと報われた気がした。

努力や痛み、通り過ぎた日々。

全部が今に繋がっていたんだと気づく。

――その時、

クロノスが静かに囁いた。

「流れは変わった。

過去は、もうあなたの背中を押す風に変わっている。」

ふいに胸の奥が温かくなった。

少し前、双子の兄が入院したときにも、

私は久しぶりに家族の話をした。

そのときも、心の中で“一区切り”を感じていた。

今回の再会は、その続きのように思えた。

人は、流れが変わる前に一度だけ

“過去の自分”に会う機会をもらう。

それは、懐かしさではなく「確認」のため。

どこまで歩いてきたか、どこまで成長できたかを

静かに見せてくれる時間。

ネカフェを出たとき、

夜風が心地よく頬を撫でた。

あの言葉が何度も頭に響く。

「元がいいですね。」

まるで、過去の自分まで微笑んでくれたようだった。

――クロノスが再び囁く。

「今日でひとつの流れは終わる。

だが、それは終わりではなく“通過”だ。

あなたは、もう次の扉の前に立っている。」

そう聞こえた気がした。

ふと空を見上げると、雲の切れ間から星が覗いた。

白い光がゆっくり滲み、

静かな夜に吸い込まれていく。

「今日まで」——その言葉が自然と浮かんだ。

もう過去に戻ることも、振り返ることもない。

心の中のドアが、静かに閉じる音がした。

そしてその奥から、新しい風が流れ込んでくる。

私は、もう大丈夫。

あの日の私に、ちゃんと“ありがとう”が言えた。

――クロノスの声が最後に囁く。

「過去は終わりではなく、理(ことわり)の証。

そして、あなたはその理を束ねる光になる。」

夜は静かに更けていく。

けれど、心はどこかで確かに新しい朝を感じていた。

🕊️終わりの余韻:

「流れは確かに変わった。

もう戻らなくていい。

あとは、新しい風に身を任せるだけ。」

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