📝2025年10月31日(金)日記 ― 手放しと静かな帰り道 ―

日記・ライフログ
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朝、少し冷たい風が窓から入ってきた。

10月の終わりという言葉がようやく実感に変わる。

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季節の変わり目は、どうしてこんなにも静かで優しいのだろう。

今日は退職届と制服をまとめて郵便局へ出しに行く日だった。

封筒を手にして外へ出ると、空が高く澄んでいた。

この数か月の間に積み重ねてきた想いが、

風の中で少しずつ溶けていくように感じた。

ポストへ封筒を入れるまでの数歩が、

やけに長く感じられたのは、きっと心の整理が追いついていなかったからだ。

退職という言葉は、

ただ仕事を辞めるという意味だけではない。

それまでの時間や関係、責任、そして少しの悔しさ。

いろんな感情が折り重なって、

ひとつの「手放し」になる。

制服を入れた袋を手放した瞬間、

肩の力が抜けたような感覚と同時に、

胸の奥に小さな静けさが訪れた。

何かを終えることは、いつだって少し痛みを伴う。

けれどその痛みは、次の始まりのための“余白”でもある。

午後は家に戻って、

ブログの下書きを整理した。

記事のスラッグや抜粋、カテゴリを整えながら、

ひとつひとつの言葉に向き合う。

ここ数日は戦国ファンタジーの構成も進み、

新しい物語と現実の切り替えが自然にできるようになってきた。

WordPressの画面の中で、

「カテゴリー:日記・ライフログ」

「タグ:秋、退職、環」

と入力する手が、なぜか少し丁寧になっていた。

どんな記事も、

その日の心が映っていると思う。

ふと、これまでの記事を読み返した。

笑っている日も、疲れている日も、

どれも自分そのものだった。

あのとき迷っていた感情も、

今では懐かしい。

あの迷いがあったから、

今こうして前を向けているのかもしれない。

夕方になると、

窓の外が少しだけオレンジ色に染まった。

通りを歩く人たちの姿がどこか穏やかで、

季節が確実に進んでいることを感じた。

退職届を出したあとの日常は、

想像よりも静かだった。

誰かに褒められるわけでも、

何か劇的な変化があるわけでもない。

それでも“今日という日”を丁寧に過ごせたことが、

何よりのご褒美に感じた。

夜は少しだけコーヒーを淹れて、

机の上のノートを開いた。

ページの端に書いた一言、

「焦らず、信じて、整える。」

それが今の私の小さな合言葉になっている。

過去にしがみつかず、

未来を急ぎすぎず、

ただ“今”を整える。

そんな時間を持てたことが、

何よりの進歩なのかもしれない。

退職という節目を迎えた今日。

一見、大きな出来事のようでいて、

実際には「いつもの日常」の延長線にある。

けれどその延長の中にこそ、

静かな成長がある。

明日はもう、11月。

季節が変わるように、心も少しずつ形を変えていく。

この静けさが次の始まりの前触れであることを、

私はもう知っている。

🌸一言

― 何もない日こそ、心が満たされている証。 ―

🔗 11月1日(土)日記 ― 穏やかな決意

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