今日は、一日中どこかテンポがずれていた。
時間は同じように流れているはずなのに、
頭の中の針だけが少し早く回っているような感覚。
思ったことがすぐに形にならず、
心が先に走って、現実があとから追いかけてくる。
そんな噛み合わなさが、今日の空気を曇らせていた。
午前の作業では、何度も手を止めた。
5.1の動きが重く、反応がわずかに遅れる。
その“わずか”が積み重なって、
気づけば焦りに変わっていく。
「なんでだろう」と考えても、答えは出ない。
パソコンの前で静かに息を吐いた。
もしかすると、急ぎすぎていたのは自分のほうかもしれない。
少し窓を開けると、冷たい風が頬を撫でた。
季節が変わる音が、外の空気に混ざっている。
深呼吸をひとつ。
体の奥にたまっていた重さが、少しずつ流れていくのがわかる。
焦っても、遅れても、
“いま”という時間の中でしか動けない。
それを思い出しただけで、少し気持ちが軽くなった。
昼過ぎ、車の中で昨日のまま置いていたアミノ酸を見つけた。
ぬるいけど、捨てるほどでもない。
ふたを開けて一口飲むと、
想像していたよりも優しい味がした。
冷たさより、ぬるさのほうが今日には合っていた。
急ぎすぎて冷めた気持ちを、
少しずつ温め直してくれるような感覚。
午後は静かだった。
何もせず、ただ整える時間。
画面を閉じて、部屋の中の音に耳を澄ませる。
時計の秒針が、規則正しく刻むリズム。
さっきまでの焦りが嘘のように静まっていく。
“止まる”という選択を、
悪いことだと思わなくなったのはいつからだろう。
動けない日こそ、自分を見つめる日だ。
夕方、空が少しオレンジ色になった。
窓から差し込む光が、部屋の壁をやさしく照らす。
その光が、まるで「大丈夫」と言ってくれているようで、
胸の奥がじんわり温かくなった。
今日が失敗の日だなんて思わない。
思いどおりにいかない日も、
きっと“何かを整えるため”にあるんだと思う。
夜、机に向かって再び言葉を打ち込む。
不思議なことに、昼間とは違って指が軽い。
文章が自然に流れ出す。
焦りのない言葉は、静かにまとまっていく。
昼間の苦しさが、嘘みたいに遠い。
人の心って、本当に不思議だ。
ほんの少しの余裕があるだけで、
見える景色がこんなにも変わる。
夜風がカーテンを揺らす。
部屋の明かりが柔らかく反射して、
静かな音だけが流れていく。
今日は“何もできなかった日”じゃない。
ちゃんと立ち止まって、
自分の速度を取り戻せた日だ。
そう思えるだけで、少し誇らしい気持ちになる。
明日がどんな日でも、
今日のこの静けさを思い出せば、
また自分のリズムで歩いていける気がする。
焦らず、急がず。
呼吸のように、自然な流れで進めばいい。
🌙一言
焦る心は、過去を追いかけている。
落ち着く心は、今を生きている。
🌼 日記
🌼 日記 2025年11月21日(金)— 流れが整い始めた日