
夜の空気がひんやりして、どこか落ち着いた気分になる金曜日。
昔からこういう「週の終わりの静けさ」に、ふとラーメンが恋しくなる。
今日は近所のラーメン屋さんで、軽く一杯……と思いながら向かったけれど、
その一杯が思った以上に“心に染みる味”だった。
店名は出さないけれど、昔ながらの雰囲気で、
カウンターに座るとほっと息が抜ける。
家では味わえない、あの湯気と香りの包み込まれる感じ。
なんというか「日常の中の小さな旅」みたいで好きだ。
テーブルに着いてすぐに運ばれてきたのは、
白濁した豚骨スープがふわっと香る一杯。
表面に浮かぶ油のきらめきが、夜の照明と混ざり合って綺麗だった。
ひと口すすった瞬間、
まろやかでコクが深いのに重くない、絶妙なバランス。
時間をかけて丁寧に炊かれた味で、
豚骨特有のクセが全くなく、ふわっと舌に広がっていく。
「今日、この店に来てよかった」と自然に思わせる一口だった。
麺は細めで、スープとすごく相性がいい。
スルスル入ってくるのに、しっかり存在感もあって、
忙しかった一日の緊張がほどけていくような心地よさがあった。
そして、餃子がまた絶品。
外はカリッと、中はじゅわっと肉の旨味。
大げさじゃなく「今日の主役は餃子なのでは?」と思うくらい、美味しかった。
香ばしい香りと肉汁が広がって、気づけば無言で食べ続けていた。
周りのお客さんも静かで、
店主さんが作る音がリズムのように心地よく響く。
賑やかでもなく、寂しくもなく、
“自分のペースで食べられる”ってこんなに癒されるんだと改めて思った。
スープを最後まで飲み干した頃、
外に出ると夜風が少し冷たかったけれど、
さっきまで食べていた温かさが身体に残っていて、
その対比がなんだか心地よかった。
小さな外食でも、
気持ちを整えてくれたり、前向きにしてくれたりする瞬間がある。
今日のラーメンはまさにそれだった。
「また頑張ろう」って自然に思える味と時間。
忙しい日でも、こういうひとときが心を救ってくれるんだと実感した。
明日はまた違う一日が来るけれど、
今日のこの“温かさ”はしばらく残ってくれそうだ。
🍜✨
また珍道中は続いていく。