🌸戦国ファンタジー 第13話🌸

戦国ファンタジー
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四国・焔と陣の試練 ― 幸村と信玄、理の覚醒

四国に渡ると同時に、空気は一変した。

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潮の匂いと大地の息づきが入り混じるこの地は、他の土地にはない特別な“揺らぎ”を抱えている。

真田幸村と武田信玄は、しばし黙ってその風を受けていた。

「……ここだな。理が眠っている地は。」

信玄が低く呟いた。

四国には――

十二理のうち二つ、

● 武田信玄:風林の地槌(陣)

● 真田幸村:紅蓮の炎槍(火)

この二つの武器を真の姿へ覚醒させるための“試練の地”が存在する。

幸村が息を吸い込むと、

紅蓮の槍が胸の内でぼんやりと震えた。

「……呼んでいます。この地が。」

「呼んでおるのは“理”よ。

炎も、陣も、主を試す時が来たということだ。」

二人は四国の山奥へと進む。

■ 第一段階:地槌の門

山を越えた先、巨岩が門のようにそびえ立っていた。

その中央には、地脈の光が脈打つ“紋”が刻まれている。

信玄が一歩近づくと、

大地が低く唸り、紋が淡く光った。

「我に問うておるな。

“おぬしは大地を揺らす覚悟があるか”……と。」

信玄は地面に手をつくと、静かに目を閉じた。

その瞬間――

四国全土の“地の気配”が、信玄の身体へと流れ込んだ。

幸村が息を呑む。

「これが……地槌の理……」

「幸村。大地はのう、優しくもあり、残酷でもある。

揺らすには、揺らすだけの覚悟が要る。」

信玄の指が岩をかすめた瞬間、

地面が“咆哮”した。

ゴゴゴゴ――ッ!

「試練が始まったぞ。」

■ ■ 試練①:地裂の陣歩(じんぽ)

大地が裂け、道が砕けていく。

「幸村、足を止めるな!」

「了解!」

二人は、崩れゆく岩場を駆け抜ける。

地面は一定のリズムで揺れ、

そのリズムを“読む”のが試練の目的。

信玄は軽く笑った。

「大地の揺れは、敵ではない。

“味方にすれば道となる。”」

幸村が地響きの周期を掴み始める。

「……見える。揺れの線が。」

「それでよい。おぬしの炎も、揺れで伸びる。」

次の瞬間――

幸村の“炎槍”が揺れに合わせて伸び、

地面の波を切り裂いた。

道が開けた。

■ 第二段階:炎槍の祠

地裂の陣歩を抜けた先、

石造りの祠が静かに光っていた。

その内側には、幸村が求める“紅蓮の核”が眠っている。

信玄が後ろで腕を組む。

「ここからはおぬしの試練よ。

炎は、持ち主の心そのものだ。」

幸村は頷き、祠に足を踏み入れた。

■ ■ 試練②:心炎の審(しんえんのさばき)

祠の中に広がっていたのは――

巨大な“焔の世界”だった。

空は赤く、地面は黒曜石のように光り、

炎が龍のように渦巻いている。

幸村の手から炎槍が離れ、

炎の龍となって吠えた。

「汝の炎、揺らぎがある。」

龍の声が、祠に響く。

「迷いがある限り、紅蓮は真の姿を見せぬ。」

幸村は一歩踏み出した。

「……迷い。

確かに、まだ恐れはあります。

仲間を失う恐れ……道を誤る恐れ……」

龍が咆哮を上げ、火柱が幸村に襲いかかる。

幸村は炎に包まれながら、

胸の奥底にある想いを解き放った。

「ですが――

“理を束ねる者”に従うと決めたのです。」

炎が揺れる。

「環殿が示す道を、私は信じている。

だから……」

幸村の炎が自身の体から溢れ出す。

「私の炎は、揺るがない!!」

龍が静かに笑った。

「ならば、授けよう。宿命の紅蓮――」

炎槍が幸村の手に戻り、

その瞬間、槍の形状が変わった。

蒼い縁取りが紅蓮を包み、

“炎槍・真(しん)” へと進化した。

■ 第三段階:陣と炎の共鳴場

外に出ると、信玄が待っていた。

祠が揺れ、四国の空から光柱が立ち上る。

「幸村。

おぬしの炎は……完成したな。」

幸村は微笑んだ。

「信玄公も……大地が貫かれている。」

信玄の地槌もまた、

四国の地脈と完全に繋がっていた。

この瞬間――

陣と炎が共鳴し、空へ理の輪が浮かび上がる。

信玄が呟く。

「……“十三の理”が揃う前兆よ。」

幸村は炎槍を構えた。

「では信玄公。

共に進みましょう。

次なる理――毛利本陣へ。」

「うむ。あとは刻律の男に会いにいく時だ。」

二人は四国の山を振り返り、

静かに歩き出した。

■ クロノスの導き

炎は心を映す。陣は地を映す。

そして、二つが重なる地点に“未来への鍵”が眠る。

四国の試練は終わり、次は刻の理があなたたちを待つ。

――クロノス

■ 次回予告

第14話:刻律の山道 ― 毛利元就と“時間の核”

四国の試練を越えた幸村と信玄は、

次なる理を宿す男――毛利元就との邂逅へ向かう。

しかし、毛利の試練はこれまでとは桁違い。

“時間”を操る武器「刻律鎖杖(こくりつさじょう)」を得る条件は、

過去と未来の両方を見抜く覚悟。

時を測る山、刻の門が開く。

🌸戦国ファンタジー第14話🌸

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