🌙予兆 ― 年の終わりに、理はまだ語られない

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年の終わりは、いつも静かだ。

人の営みが一瞬だけ歩みを緩め、世界が深く息を整える夜。

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戦もなく、叫びもない。

ただ冷えた空気の中で、理(ことわり)だけが、まだ名を持たぬまま息づいている。

この国では、理は剣に宿り、選択の中で姿を現してきた。

だが今夜、その理は語られない。

語られないからといって、失われたわけではない。

むしろ、深く沈み、次の時を待っている。

焚き火は燃え上がらず、消えもせず、ただ揺れている。

それは迷いではない。

決断の前に訪れる、静かな余白だ。

環は、剣に手を伸ばさない。

敵も味方も定めぬまま、ただ風の向きを読む。

「まだだ」

その言葉には、焦りも恐れもない。

理は、動くべき時を自ら選ぶことを知っている。

遠くで、名もなき違和感が生まれていた。

戦でも、裏切りでもない。

ただ世界の端が、かすかに軋む音。

それは予兆。

だが、答えではない。

クロノスは記す。

起こらなかった出来事を。

選ばれなかった選択を。

年の終わりとは、終焉ではない。

始まりでもない。

それは、整える時間。

理は今、沈黙の中で形を整えている。

語られるのは、まだ先だ。

🌙クロノスの囁き

語られぬ理は、消えたのではない。

語るに足る時を、待っているだけだ。

🔜次回予告

新たな年、沈黙は破られる。

理は再び名を持ち、選択は避けられなくなる。

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